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ガンダムSES 第2話 『始動』 (3) 

WR本部 医務室




 WR本部の医療機関は2つある。一つは医療センター、もう一つは医務室。後者がWR本部内の施設に3箇所ほど設けられている。

 前者の医療センターは入院設備や手術室、エマージェンシー・ルームER集中治療室ICUまでも備え、高度な医療を受けることが出来る場だ。

 さすがに大病院クラスの病室やベッド数は備えていないが。

 後者の医務室は、風邪やインフルエンザ(流行性の場合は司令室へと報告され、感染者は完治するまで私室での待機が固く命じられるが)といった軽い病気の患者。

 または入院で高度な治療は必要としない軽傷を負った患者達が訪れる事になる医療機関である。

 これもまたレジスタンスとは思えない設備を持った施設ではあるが、8人の各方面の専門医と15人の看護士、そして衛生兵経験のある元軍人などが協力して運営している。

 そして、模擬戦において決着の際に頭を強く打ち脳震盪を起こした祐一は、医務室の方に運び込まれていた。


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ガンダムSES 第2話 『始動』 (2) 

 迫る壁、落ちない速度。

 策を見破っていた北川は、ライフルの標準をカースにつけ、減速に対応できるようスロットルにも手を掛けた。これなら突然の減速にも対応でき、一瞬で撃墜判定を祐一に下すことができるだろう。

 北川のクランは自分の勝利の方程式を気付かれないよう、決着のときの標準を頭の中で調整しつつ、相変わらず祐一に向けてある程度狙いをつけた、でも当てる気のない射撃を続ける。

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ガンダムSES 機体・兵器解説 

機動戦士ガンダム

Space Empire of the Sun




――― 機体・兵器解説 ―――

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ガンダムSES 第2話 『始動』 (1) 

 南アジリア共和国の軍需産業会社であるバイスレイド社が開発した傑作MS、“クラン”を始めとする、ZAKを製造識別文字とする機体は、その識別文字を取って“ザク”と呼ばれ、また、この機体をベースとして改良、または発展型の機体を総称して“ザク”シリーズと呼ばれたりする。

 この機体は性能もさることながら、MSパイロットからは操縦のしやすい機体としても有名で、現在の共和国軍の配備しているMSのうち、約90%がザクシリーズで占められていることや、改良・発展前の旧式機が世界各国へ輸出されていることからもこの機体の高性能ぶりが理解できるだろう。

 このザクシリーズの機体と、他の国々が開発したMSとの様々な紛争における戦果:損失率が5:4と上回っていることからも性能は証明されている。

 それだけの証明の下に傑作機としての呼び声高い、そのザクシリーズの最新機種、それが今祐一の目の前に立っている機体、ZAK-4“クラン”、別名“クランザク“と呼ばれるMSである。

 初期に量産化された機体に比べて、防御力や武装、最高速度、加速力など、全般的な大幅な向上を果たしている機体であり、WRのエースが乗るには確かに相応しい機体だと、祐一は思う。

 そしてその機体は今、WRホワイト・レジスタンス本部の地下訓練場で乗り込んでいる祐一の機体、GD-5“カース”の目の前に堂々と立っている。

 その“クラン”の右肩に描かれた“緋色の星スカーレット・スター”のエンブレムが示すパイロットは、WRのエース、北川潤。

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ガンダムSES 第1話 『白い反逆者』 (4) 

 翌日、2273年3月2日、WR本部地下5階。

 地下4階はWRの戦闘訓練場として建設された、地下2階に存在する兵器格納庫の3倍高さを誇るこの訓練場は、出力を訓練用に最小限に抑えたなら、ビームサーベルとビームライフル―――最も、模擬戦ではビームライフルはペイント弾を装填して使用するのが殆どだが―――を使った訓練も可能だ。

 訓練場の壁も特殊装甲が何重にも重ねてあるため、先述の出力程度のビームなら直撃しても焦げる程度で済むし、かなりの勢いでMSが壁にぶつかっても耐え抜くほどの強度を誇るため、新人パイロットのための訓練場として使われたり、ベテランパイロットたちが腕を訛らせないための模擬戦に使われる。

 この訓練場には別室でトレーニングルームや射撃場まで備えるため、兵種問うことなくここでの訓練が可能である。

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